コミュニケーション・ラボラトリーの公式ブログです。イベントの告知のほか、いままで書き溜め、Mixiなどで公開していた文章なども公開していきます。
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これは僕が大学3年の8月14日、終戦記念日の前日に自分の大学の学生に向けて流したメールを日本語に訳したものです。せっかくなんで転記します。
***********************************
明日は8月15日、それは日本人にとって第二次世界大戦が終わった日です。ほかの国の人たちにとっての第二次世界大戦の終戦がいつだったのか、僕 はしりません。大戦が終わってからすでに60年が経ち、戦争を直に経験した多くの人たちはすでに亡くなってしまっています。いまなお地球のどこかで戦争が 起こっているにもかかわらず、私たちの中で戦争の記憶というものが、少しずつ褪せていってしまっているのではないでしょうか。悲劇を再び起こさないため に、歴史を知り、そこから学ぶことが大事だと人々はいうでしょう。しかし、私たちは十分に歴史を学べたといえるのででしょうか?
私たちが第二次世界大戦について話すとき、アメリカ人は「真珠湾攻撃を忘れるな(Remember Pearl Habor!)と言うでしょう。日本人は「広島・長崎を繰り返すな(No more Hiroshima/Nagasaki!)と言うかもしれません。私が日本にいたころに使っていた教科書は、大戦中に日本軍がアジアで行った蛮行について しっかりとは教えてくれていませんでした。そしておそらく、アメリカで使っている教科書も原爆の悲惨さについてちゃんとは教えていないのではないでしょう か。人々は僕らに違ったことを教え、私たちは違うことを知っていて、そして私たちは互いが何を知っているのか知りません。
歴史に関してしっかりとした共通認識を持たずに、どうして平和を生み出すことができましょうか。
私はこのメールによって、誰かを責めようとしているわけではありません。私たちが歴史の違った認識を持っていることを理解し、共有することが、悲劇を未来に繰り返さないために必要だと心から思うのです。
私はアメリカの学生に、私の日本の先生が襲えてくれなかった真珠湾攻撃について教えてほしいし、もし知りたければ、その代わりに私は原子爆弾の悲 惨さについて話すことができます。この夏(2005年の)私は長崎を訪れ、原爆関連の平和イベントに参加しました。そしてその中で5歳のときに被爆した原 爆被害者に会ってきたのです。もちろん、そのほかの国の人々にも、私たちが知らないことを教えてほしいです。
繰り返しになりますが、私はこのメールを読む誰かを、その人の国の軍隊が戦争中になにをしたかによって糾弾したいわけではありません。私たちが責めることができるのは、自分たちの無関心さだけなのですから。
知らないことは恥ではない、でも大事なことを伝えないことは恥ずべきである、とそう思うのです。
このメールを読んで思うところがあれば、私まで連絡ください。メールでも電話でもかまいません。みんなひとりひとりと話したいです。
********************************
このメールを受けて、何人かの学生が共感のメールがいくつも届きました。アメリカ人の学生や、アジア地域からの学生、そしてアメリカ育ちの日系人の学生からも。
日本にいるとわからないこと、知らないことはたくさんあります。
常識だとおもっていることが、ほかの国ではそうではないのです。
このギャップを埋めていくことは簡単ではないでしょう。
ただ、歴史認識の差異から人々がいがみ合い、憎しみあうことはばかげています。
私たちは過去に振り回されてはいけないし、学ばなければならないのだから。
世界中から戦争や侵略行為がなくなり、本当に戦争が過去の過ちとして「歴史」となる日が、一日も早く訪れることを祈り、そしてそんな世界を作るために自分が一助となれるよう、進んでいこうと思います。
戦争でなくなったたくさんの人々のご冥福と、今なお戦争で苦しむ世界中の人々の安全を祈りつつ
2008年8月15日
田中ジュンヤ
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明日は8月15日、それは日本人にとって第二次世界大戦が終わった日です。ほかの国の人たちにとっての第二次世界大戦の終戦がいつだったのか、僕 はしりません。大戦が終わってからすでに60年が経ち、戦争を直に経験した多くの人たちはすでに亡くなってしまっています。いまなお地球のどこかで戦争が 起こっているにもかかわらず、私たちの中で戦争の記憶というものが、少しずつ褪せていってしまっているのではないでしょうか。悲劇を再び起こさないため に、歴史を知り、そこから学ぶことが大事だと人々はいうでしょう。しかし、私たちは十分に歴史を学べたといえるのででしょうか?
私たちが第二次世界大戦について話すとき、アメリカ人は「真珠湾攻撃を忘れるな(Remember Pearl Habor!)と言うでしょう。日本人は「広島・長崎を繰り返すな(No more Hiroshima/Nagasaki!)と言うかもしれません。私が日本にいたころに使っていた教科書は、大戦中に日本軍がアジアで行った蛮行について しっかりとは教えてくれていませんでした。そしておそらく、アメリカで使っている教科書も原爆の悲惨さについてちゃんとは教えていないのではないでしょう か。人々は僕らに違ったことを教え、私たちは違うことを知っていて、そして私たちは互いが何を知っているのか知りません。
歴史に関してしっかりとした共通認識を持たずに、どうして平和を生み出すことができましょうか。
私はこのメールによって、誰かを責めようとしているわけではありません。私たちが歴史の違った認識を持っていることを理解し、共有することが、悲劇を未来に繰り返さないために必要だと心から思うのです。
私はアメリカの学生に、私の日本の先生が襲えてくれなかった真珠湾攻撃について教えてほしいし、もし知りたければ、その代わりに私は原子爆弾の悲 惨さについて話すことができます。この夏(2005年の)私は長崎を訪れ、原爆関連の平和イベントに参加しました。そしてその中で5歳のときに被爆した原 爆被害者に会ってきたのです。もちろん、そのほかの国の人々にも、私たちが知らないことを教えてほしいです。
繰り返しになりますが、私はこのメールを読む誰かを、その人の国の軍隊が戦争中になにをしたかによって糾弾したいわけではありません。私たちが責めることができるのは、自分たちの無関心さだけなのですから。
知らないことは恥ではない、でも大事なことを伝えないことは恥ずべきである、とそう思うのです。
このメールを読んで思うところがあれば、私まで連絡ください。メールでも電話でもかまいません。みんなひとりひとりと話したいです。
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このメールを受けて、何人かの学生が共感のメールがいくつも届きました。アメリカ人の学生や、アジア地域からの学生、そしてアメリカ育ちの日系人の学生からも。
日本にいるとわからないこと、知らないことはたくさんあります。
常識だとおもっていることが、ほかの国ではそうではないのです。
このギャップを埋めていくことは簡単ではないでしょう。
ただ、歴史認識の差異から人々がいがみ合い、憎しみあうことはばかげています。
私たちは過去に振り回されてはいけないし、学ばなければならないのだから。
世界中から戦争や侵略行為がなくなり、本当に戦争が過去の過ちとして「歴史」となる日が、一日も早く訪れることを祈り、そしてそんな世界を作るために自分が一助となれるよう、進んでいこうと思います。
戦争でなくなったたくさんの人々のご冥福と、今なお戦争で苦しむ世界中の人々の安全を祈りつつ
2008年8月15日
田中ジュンヤ
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プロフィール
HN:
Junya Tanaka
性別:
男性
職業:
NGOスタッフ/参加型の場づくり研究・実践家
自己紹介:
青山学院大学の社会人大学院社会情報学研究科ヒューマンイノベーションコースで参加型の場づくり、ワークショップデザイン、ファシリテーションなどについて研究をしながら、震災関連の仕事をしています。
2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。
2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。
また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
◇参加型ファシリテーション入門編ワークショップ
◇傾聴力ワークショップ
◇アイスブレーキング体験学習ワークショップ
◇開発と気候変動を考える参加型ワークショップ
<現在企画中>
▽発問力ワークショップ
▽ワークショップデザインコース
2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。
2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。
また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
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