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コミュニケーション・ラボラトリーの公式ブログです。イベントの告知のほか、いままで書き溜め、Mixiなどで公開していた文章なども公開していきます。
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ご訪問ありがとうございます。

「参加者一人一人が、参加しやすい空間をデザインする」ファシリテーターを目指している、田中絢也のブログです。このブログではコミュニケーション・ラボラトリーの活動についてと、僕個人でいろいろと書き溜めた文章を載せています。
<ブログコンテンツ>

・コミュニケーション・ラボラトリー トップ
ファシリテーションやコミュニケーションについて。イベント紹介や情報収集など。

自己紹介
私個人の簡単な自己紹介、経歴とこれからについてです。

・予定/イベント紹介のページ
( 友人・知人から紹介してもらったイベントや参加予定のイベントをまとめています。)

・過去記事のアーカイブ(2008年まで)

記事を読んで下さった時、一言でもコメントいただけると嬉しいです。コメントは大歓迎ですが、誹謗中傷はご遠慮ください。この文章たちは、特定の誰かを傷つける目的で書かれたものではありませんが、意図せず誰かを不快にさせてしまうことがあるかもしれません。その場合は、ご連絡いただければ、熟慮し、意図の説明や内容の変更をさせていただきます。まだまだ未熟者なので、ご指導よろしくお願いします。

ブログ管理用のアドレスは以下です。
communilaboaddress.jpg(クリックすると既定メールソフトが開きます)

スパム対策で画像を張り付けております。お手数ですがアドレスを直接打ち込んでメールを送信してください。更新した時に通知が欲しい方はご連絡ください〜。

<最新更新記事>

◆会話はキャッチボールなのか?【随筆】

◆主体的コミュニケーションを導く参加型ファシリテーション講座!10月29日(土)、11月5日(土)に開催します♪


◆実践型コミュニケーション研修!2011年2月開催
11日(金祝)アイスブレーキング体験型研修
12日(土)入りたくなる新歓を作るワークショップ


◆Social Movie Cafe始めます!2010年11月21日(日)「8 - eight-」◆ 2010.10.25【コミュニケーションラボラトリー】

◆Life surfing 人生をサーフしたい◆ 2010.0720【随筆】

◆詩作と心に触れる人間関係◆ 2010.0701【随筆】

◆Stay Activeプロジェクト◆ 2010.0427 【アイディア】

◆昨日今日会ったみんなにありがとう。

◆使ってない携帯電話をもって、アースデイへ来て〜◆

ソー シャルメディアを使って世界の子どもを救おう◆ 2010.4.14

4月14日(木)19時~ 環境×英語勉強企画 『Talkin' Natural』◆

◆【チャリティ企画アイディア集】◆
2010.3.25 (備忘録)


◆【参加者募集3/25 〆切】4月末ブルネイでの環境ユースフォーラム2010.3.18(気候変動)

◆もしありがとうといわれなくても◆ 2010.0302 (詩か随筆)

◆地球規模で考えるって・・・◆2010.0302 (コミュニケーション・ラボラトリー)

◆One Young World への参加決定?◆2010.0112

◆ 【学生無料】12月6日に面白いイベントがあります!◆
2009.1116 (コミュニケーション・ラボラトリー)

◆ デジタルからアナログへの流れの中にある光◆2009.1110 (コミュニケーション・ラボラトリー)

◆最近の未更新状況について◆2009.1023 (コミュニケーション・ラボラトリー)


◆四国で教育について考える!◆2009.0903 (コミュニケーション・ラボラトリー)

◆『未来を照らす灯の光』◆2009.0901 (詩)

◆愛媛 again 参加型学習の場づくり◆2009.0827(コミュニケーション・ラボラトリー)

◆獣医学生と交流◆2009.0823(ファシリテーション・コミュニケーション)

◆主催イベント!コミュニケーション・ラボラトリーTrial 1「参加型ワークショップで学ぶ、参加型ファシリテーション講座」(9月26日開催)◆(ファシリテーション・コミュニケーション)

◆今年度のこり一緒に学びませんか?◆2009.0814(イベント)

◆2009年度気候リーダータイ研修参加者募集◆ 2009.08.10(気候変動)

◆9月26日にワークショップを主催します◆ 2009.07.31(ファシリテーション/コミュニケーション)

◆「天の瞳、未完の最終話」◆ 2009.07.29 (随筆)

◆伝えるということ◆ 2009.07.19 (随筆)

◆季節を味わって生きるということ◆ 2009.0715 (随筆)

◆1984年、85年に生まれた人へ!(それ以外の人もぜひ)◆ 2009.0628(ノンカテゴリ)

◆「違和感を覚える日本語『野心的な削減目標』」◆ 2009.0626(気候変動)

◆「Am I in the right place?会議報告2日目」◆ 2009.0622(気候変動)

◆会議報告1日目〜インプット&シミュレーション◆ 2009.0620 (気候変動)

◆「今日から会議の始まり」◆ 2009.0617 (気候変動)

◆「自由と不自由について」◆ 2009.0616 (随筆)

◆「適応基金」について分かりやすく説明してみます◆ 2009.0615 (気候変動)

◆「ジュネーブへ!気候変動と人的影響に関するユース会議!◆ 2009.0612 (気候変動)

◆「思いを言葉に、伝える力を更に強く、深く、広く・・・」 2009.0611 (ノンカテゴリ)

◆「平穏だけど特別な休日の1ページ」 2009.0609 (ノンカテゴリ)

◆「淡い感情を抱きながら・・・」 2009.0604 (ノンカテゴリ)

◆「雑記。Sense of life」 2009.0603 (随筆)

◆「心の三大栄養素」 2009.0518 (随筆)

◆「Only is not lonely」 2009.0503 (詩)

◆「いまこそ、その時なんだなと」 2009.0401 (随筆)

◆「無関心層というレッテル」  2009.0222 (随筆)

◆「僕らの行動は選択することで固まっていく」 2009.0212 (随筆)

◆「『聞く力』と『思考』について」 2009.0205 (随筆)

◆「2007年6月の大学卒業以来を振り返る」 2008.1224 (随筆)

 
 
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2009年秋より、「コミュニケーション・ラボラトリー」と題し、ワークショップやファシリテーション、ミーティング運営、対話力、発問力、傾聴などのコミュニケーション技術を学び合う場を不定期開催で創っていきたいと思っております。

このブログでは、「コミュニケーション・ラボラトリー」が主催するイベントの情報紹介に加え、イベント報告やファシリテーションやワークショップについての考えをまとめたり、アイディアを共有したりします。

基本的に現在のところ、田中絢也、個人で企画・運営されていますが、コミュニケーション分野に興味がある、これから勉強したい、という若手(自称を含む)の人の参加も心からお待ちしています。

またイベントの開催告知などをメールで受け取りたい方もメールでご連絡ください。

今後、「コラボレーション・ラボラトリー」では、参加費をとるワークショップだけでなく、コミュニケーション技術について話し合う場や、参加者がラボの研究員として自分のテーマとするコミュニケーション技術を発表し合う、新しいアイスブレーキングやワークショップを試す場などを創っていく予定です。

また、参加型のイベントを作るだけでなく、ラボラトリーの運営自体も参加型とすることで、「自分の学びの場を自分で創っていく場」にもしたいと思っています。コミュニケーションという広い分野の中で一緒に学び合えるテーマを追究しませんか?

ご連絡お待ちしています。

◆Social Movie Cafe始めます!2010年11月21日(日)「8 - eight-」◆

◇コミュニケーション・ラボラトリー Trial 1
「参加型ワークショップで学ぶ、参加型ファシリテーション講座」

無事終了いたしました。ありがとうございました。

◇ラボの研究テーマ関連本のご紹介ページ


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昨日(11月11日)は箱庭円舞曲の「否定されたくてする質問」という公演の千秋楽を観てきました。単純に、先月観に行った公演でチラシを見て、「このタイトルは気になりすぎる!」って思っていたのですが、その後、友人数名から箱庭円舞曲はいいよって勧められていました。

観てみて、ほんと観に来てよかったああああああって思える程楽しすぎました。演技も演出もすごくステキで、そしてストーリーとセリフ回しがすばらしく、笑いあり、深く突き刺さる言葉があり、一瞬も飽きさせない2時間でした。

(以下少しだけネタバレ。)
2005年に一度公演した同じタイトルの作品の、再演といいつつほぼ新作。演者さんも全員新しいという状況でしたが、ストーリーの上でもマンガ原作者吉富が、恋人のあつこと組んでマンガを書いていた7年前のストーリーが前公演。

今作ではその吉富が別の描き手とマンガを描いている7年後の世界であり、実際の時間軸を経た上で、漫画と舞台という手段は違うものの、表現の世界で生きる人達の生の「声」が散りばめられていた作品だったと思いました。7年前の作品と違う題材で同じような展開で描こうとする作中の吉富と、それに対してこの公演自体が「単なる再演でも焼き回しでもない」という強い意志の現れなんだろうなと勝手に解釈をしました。編集者羽生の「7年間経てばファンも入れ替わる。だからといって同じようなストーリーを使い回していいのか。ファンは気づくぞ」という主旨の台詞にもそれが現れていると思いました。そうして観ると、前回公演がどんなだったのか観た上で今回のを観たかったなという思いも募りました。

作中で「依頼者の思いのままに仕事をするか、自分の美学に従って仕事をするか」という問いかけが何度かありました。好きな仕事を、好きなように。自分と向き合って、消費者や会社と向き合って、苦悩しながら仕事に取り組む劇中の人達の色々な言葉が、僕にはとっても突き刺さったのでした。これから僕もそういうことに悩みながら生きていくし、そうして生み出していくもので生活をしていくのだと思う。

そういう思いテーマなストーリーとともに、コミカルでユーモアのある演技と台詞に溢れていて、エンターテイメントとして一流だと心から感じました。
・アラサー女性漫画家役の片桐はづきさんは切れのある動きだけでにやつかせてもらったし、
・ボランティア漫画アシスタントの須貝英さんの空気の読めない間の悪い感じもなんども笑ったし、
・ベテランプロアシ牛水里美さんのキレキレの突っ込みや如才ない感じからの毒舌キャラへの豹変ぶりも良かったし、
・エロ漫画雑誌編集者鷲尾直人さんは3月に観た「夜のしじま」のさわやかな役からは一変したうさんくさいキャラがはまってたし、
・新人編集者白石廿日さんのコロコロ変わる表情と最年少なのに空気が読めているようで読めてない感が大好きになりました。
・漫画原作者役の小野哲史さんは台詞は多くないものの声と演技でシリアスな場面に重厚な雰囲気を加えていたし、
・表情しか書けない漫画家役の久保貫太郎さんはちゃらけてだらしないオーラぷんぷんでバクマンの中井を思い起こさせる演技でした。
・結婚しただんなの家から逃げてアトリエに居候する漫画原作者妹役の村上直子さんのしょっぱなバスタオル登場から後半のカッパ芸と体を張った演技と、場面場面で登場人物に適度な距離で絡んでアクセントを加えていたし、
・元漫画家で週刊誌編集役の爺隠才蔵さんは最後の方で漫画論を語り合うシーンのセリフ回しと迫力は圧巻でした。

とにもかくにも、この2時間本当に楽しくて次回公演もまた観に行きたい、客演の方の舞台も観に行きたいなって心から思いました。今月はまだ演劇を見る予定がいくつかあるので、芸術の秋楽しんでいきたいと思います。
ではでは〜

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自分自身がワークショップや対話の場づくりに関わるようになってかなりの年月が経ち、自分の周りでも主催者の立場でそういう取り組みをしている人が増えてきています。それでもまだ社会全体でいえば「ワークショップ」や「対話」という言葉の社会的に認知されているとは言えないし、まだまだ誤解も多いという印象があります。

最近自分の中でしっかりと定義したいと思っているのが「ワークショップ」と呼ばれる場と「対話の場」の違いについて。色々なイベントに参加したり告知されているプログラムを見ていると混同されているなぁ(意図的かもしれないですが)と感じることが多いので、自分なりにちょっとまとめてみたいと思っています。これらの違いの定義は僕個人の考えであり、所属機関(大学院や会社)でそのように定義づけしているわけではありません(仕事や授業の内容が影響を受けている部分はあるかと思いますが)。また、この定義から外れる使い方をしている活動を否定するわけでは決してないことをここに明記しておきます。

僕としては「ワークショップ」と「対話の場」を分けるのは「ふりかえりの対象となる体験の有無」だと考えています。「ワークショップ」では、プログラムの中に参加者全員が取り組む特定の活動があり、その活動に各々がどのように取り組んだのか、取り組みながらどのように感じたり、考えたりしていたのか、活動の後に「ふりかえる」時間を持ちます。ふりかえりの中では、体験のなかに散りばめられた気づきやまなびの要素を参加者自身が拾い集めたり、ワークショップではない日常の活動と比較をする、その全てを整理したりする中で、ワークショップという非日常的な場から、日常へ持ち帰る物を自分でパッケージングする作業を行っていると考えています。

これに対して「対話の場」では参加者全員がその場で共有できる体験的活動はなく、テーマに沿って個々の参加者が自分の体験をその場に持ち寄ることで場が成立していると考えています。「あなたは普段どんな環境に良い活動をしていますか?」「災害に備えてどんな準備をしていますか?」「職場でのコミュニケーションについて」というようなテーマに合わせた問いや議題が設定され、参加者が自身の「日常的体験」について語り合い、他者と比較し、ふりかえるという過程で気づきやまなびを得ていくというものだと思っています。

この定義で言えば僕の中でワールドカフェやOSTなどはワークショップではなく対話の場づくりの手法だと思っています。ただしワールドカフェなどの対話の活動そのものを参加者が共有する体験的活動と捉え、そのワールドカフェや対話の後に個々の参加者がどのように取り組んだかをふりかえるっている活動をワークショップと呼ぶことはできると思っているし、面白い活動であると思っています。

その場で体験したことをふりかえるワークショップと、参加者が体験を持ち寄るふりかえる対話の場では何が一番大きな違いかと言えば、ふりかえりの質が変わってきます。更に正確にいうならば、ふりかえりのプロセスの中で他の参加者の関わり方が変わります。参加者が自分の体験を持ち寄り語る対話の場においては、自分の過去や日常について参加者が「主観的」に語るため、他の参加者はその人の主観と言うフィルターを通してその人の体験を捉えることしかできません。そのため他の参加者が語りに対して行えるフィードバックは、限定的なものにならざるを得ないでしょう。(但しこの点は、同じ体験に居合わせた複数人が同じ対話の場にいれば補える点でもあるでしょう。)

それに対してワークショップでは、その場でみんなで体験を共有しているため、ある参加者が「あの時わたしは活動にこう取り組んでいて、このように感じていた」という主観的なふりかえりに対して「私にはそのときあなたの取り組み方がこう見えていて、それに対して私はこう感じた」というような主観的フィルターのかからない客観的なフィードバックを行うことができます。体験のすべてを捉えることはワークショップでも難しいですが、その場にいる複数の視点からその体験を捉えてふりかえることができるため、主観的な語りを行った参加者が、自分の視点では気がついていないさまざまなことも捉えながらふりかえりを行うことができます。このようなふりかえりによる他参加者の関わり方の違いはそれぞれの場における気づきや学びも大きく変えていくものだと思います。

ここまでいうと体験を多視点から見れるワークショップの方が対話の場よりも優れていると思うかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。ワークショップではプログラムの中で活動に取り組むため、ふりかえりの材料となるのはプログラムに紐付けされた限定された体験が中心となるということです。つまり、多様な参加者が参加していても、大抵似たようなことが起きるということでもあり、変化が起こるとしてもいくつか想定できることのうちのどれかが起きるという感じになります。これに対し対話の場では来た人の数だけ持ち寄る体験があることになります。つまりワークショップと対話の場の違いは、前者が「共有する一体験(もしくは一つの活動の中のいくつかの体験)を複数の視点からふりかえる活動」であり後者が「参加者一人一人が主観的に捉える多様な体験を持ち寄り他者とともにふりかえる活動」であると考えられます。

この二つは、優劣があるというよりはそれぞれにメリットとデメリットがあり、場の目的に合わせて戦略的に選択されるべきものだと考えています。また、ワークショップはプログラムの中に体験となる活動が含まれる必要があり、気づきやまなびに繋がるような活動をデザインするには慣れや経験、もしくは特定の分野における専門性が必要となってくるでしょう。このような違いがある二つの場ですが、構成する要素や必要となるスキル、マインドは共通するものが多いため同じような人達が似ている形で提供しているため混同されやすいのも事実でしょう。また前述したように対話を体験と位置づけるワークショップや、体験のふりかえりとともに個々の参加者の体験を持ち寄って語るような場もあるため、その境界線は更に曖昧になっていると考えられます。そうした課題があるなかでも、研究者でありつつ実践を行うものとして、それぞれの位置づけやメリットでメリットを認識しつつ、プログラム提供を行っていけたらいいなと考えています。

2012年11月2日初稿




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「会話はキャッチボールだ」という言葉は、誰しも一度くらいは聞いたことがある比喩表現ではないでしょうか。2人の人間が相手の話も聞かないで勝手に言葉を発しあうのではなく、相手の発言を受け止め、そして返すということで会話が成立するというようなことを表現したのだと思います。
 
しかし、コミュニケーションに関心を持って研究しようとしている人間としてこの表現が良いたとえだとは思えていませんでした。なぜかというと、キャッチボールでは確かに相手の取りやすいところを狙ってボールを投げるべきものであるけど、仮に悪送球をしてしまい相手が態勢を崩して捕球したとしても、次に相手がボールを投げ返すときには態勢を立て直して投げてくれるものだからです。実際の会話ってそういうものではないでしょう。自分が相手にとって的外れな発言をしてしまったり、受け止められないような発言をしてしまったりわけのわからない発言をした場合、相手から返ってくる言葉も、「売り言葉に買い言葉」のようになって僕の取りやすいボールとならないと思うからです。であるから、キャッチボールという比喩では明らかに会話を表現しきれていないのです。
 
では、会話を例えるならなんなのだろうと考えていたのが1年以上の前に主催したファシリテーション講座の時だったのですが、その時思いついたのが「テニスのラリー」という比喩でした。ここでの「ラリー」とは、試合で勝つためにボールを打ち合っている状況ではなく、練習などでひたすら2人組で長くボールを打ち合っている様子を指します。捕球と送球という二つの動作が独立して行われる野球のキャッチボールと違い、テニスは来たボールに対して返球があるだけ。そして、テニスや卓球を多少でも経験があればわかるように、ラリーを続けようとするなら、相手にとって取りにくい場所へボールがいってしまうと、相手が良い態勢で打ち返すことができず自分のところにちゃんと返ってこない可能性が高くなります。結果的にラリーは続かなくなってしまう。この「テニスのラリー」という比喩表現であれば、キャッチボールで表現できない、会話における「言葉の相互影響性」:をちゃんと説明できていると気づき、思いついたときにはとてもテンションが上がってしまいました。
 
そのあとしばらくこの表現のことを忘れてしまっていたのですが、先日参加した西村佳哲さんの「”自分の仕事を考える三日間”の作り方」で、西村さんがファシリテーターとしてシンポジウムの場を仕切るときの会場やゲストとのやりとりや発話をテニスの比喩をつかって説明されていた時に、自分の「会話とはテニスのラリーである」という比喩を久しぶりに思い出した次第でした。
 
西村さんのいうテニスの比喩は、僕のものとは少し着眼点が違い、誰かと話すときに、その相手と向き合っている「自分」がいて、そしてそのさらに後ろに発話のやりとりを客観的にみている「自分自身」がいるという話の流れでのたとえ話でした。「自分」が「相手」に近づいてやりとりをするのがテニスのネット際での攻防であり、コートの後ろライン際(ベースライン)で打ち合っているときは内的世界の「自分自身」に近づいて「相手」と話をしているとき。そして、あんまりネット際ばかりにいると、相手のボールを打ち返せなくなってしまう。なので、ずっとネット際からばかりにいないで、自分自身とも語りながら発話をしていった方が「すべらない」場の仕切りができる、というような説明をしてくださっていたかと思います(僕の解釈では)。
 
この説明を聞いて、もともとあった自分の「会話とはテニスのラリーである」という比喩が、テニスコートの前後関係やネット際などの概念が加わることでより深い省察になりえたと感じました。テニスのように相手と会話をする中で、ネット際からベースラインまで自分のコートを移動するように「会話する相手に心理的に近づき盛り上がって話す自分」と「会話を客観視する内面の自分自身と語り合いながら相手との会話を続ける自分」との両方を持って相手と話をしていくことで、より深く、より長く、より強く相手と語っていくことができるのではないか、と。
 
更に、「続けるためのラリー」というのとは違ってしまいますが、ベースラインで冷静に打ち合うだけではなく、相手のコートにボールをスマッシュするには、ネット際に出ていくことも恐れてはいけないのだと思います。それは、自分の内面に「自分自身」がいるように、話をしている相手にとっても「内的なその人自身」がいて、「その人自身」に思いを届けるということに近いような気もします。
 
何はともあれ、「会話はキャッチボールである」という考え方は、会話を本質的に理解するためには不十分であり、「会話はテニスである」というイメージを持つことで、自分の言葉の発し方や相手とのやり取りの仕方、相手の発話への受け答え方など考え直すきっかけになるような気がします。
 
そして、テニスというたとえを改めて考えてみると、相手がどんなに下手でちゃんとボールを返すことができないとしても、自分がボールの受け止め方がうまくなればちゃんと相手に次の良いボールを返すことができるということが重要な点です。お互いが良いボールを返そうとしあうことはもちろん重要ですが、相手がそうでなくても、僕が受け止めてちゃんと相手の打ちやすい場所へ返す力を持っていれば会話というテニスのラリーはいつまでも続けることができるのです。どこへ行くかわからないボールをちゃんと相手に返すのは高い技術が必要ですが、どんなボールが来ても反応できるように、ネット際のように相手に近づきすぎず、コートの中央後ろ寄りに構えるというような位置取りをしてしっかり相手を見る。そしてそれだけではなく、言葉遣い、表現、間、発話のスピード、姿勢、単語などに気を配りながら質の高い返球をする技術を高める。そういう努力をしていくことで、失敗を繰り返しながら、よりよいコミュニケーションが取れるようになっていくのではないでしょうか。
 
長くなりましたが、拙文お読みいただきありがとうございました。
 

12月18日(日)にYDPという団体とちょっとイベントやります。よかったらぜひ~
http://www.ydpjapan.net/?p=576

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ブログ久しぶりの更新となります!
これまで不定期で講座を開いておりましたが、この10月より研究と実践をかねて、月に一度程度の頻度で、ファシリテーションスキルについて体験型で学ぶ講座を実施していく予定です。

【ファシリテーションとは?】
ファシリテーションとは、会議やワークショップにおいて、参加者一人一人が傍観者にならず、積極的に議論や内容に関わることができる環境を作り、より高い質の参加を導くことで、その会議やワークショップの成果を高めるための技術です。単に議題を進行する司会とも、会議の時間を管理するタイムキーパーとも違い、人が集まる場に刺激を与え、場を総合的に管理し、参加者同士の発言を促進することに主眼を置いています。

近年、ビジネスの分野でもファシリテーション技術は注目され、ビジネスパーソン向けのファシリテーション講座では1日1万円を超える講座も少なくありません。私が主催する講座では、NGOや学生団体など非営利の団体活動に活かしてもらうため、参加しやすい参加費設定にしています。

【実践家コミュニティづくりを目指して】
これまで単発で講座を開いていくなかで、参加者から「とてもよい学びだったけど自分の団体(職場)ではいきなり使いにくい」などのコメントがありました。学んだことを実践する場がなければスキルは身についていきませんが、職場などで失敗を恐れずに実践していくためには勇気と自信と経験が必要となります。そういう点から、今後は講座を受けた参加者が実践し失敗から学べるようにするために、受講後に開催される講座で「サブファシリテーター」として参加できるようにしていこうと考えています。

【実施概要】
『主体的コミュニケーションを導く参加型ファシリテーション体験学習講座』
日時:10月29日(土) and / or 11月5日(土)
※連続講座ではないですが、29日の回に参加した人で、5日も参加可能な場合、サブファシリテーターとして学んだことを実践する機会を提供します。

時間:両日とも10:00〜16:00
終了後に希望者で懇親会(ご飯を食べに行く)ことも考えています。

定員:それぞれ15名程度

会場:財団法人人権教育啓発推進センター内多目的スペース
東京都港区芝大門2-10-12 KDX芝大門ビル4F
JR線浜松町駅(南口改札から徒歩7~8分)
都営三田線芝公園駅(A3出口から徒歩3~4分)
都営大江戸線・浅草線大門駅(A3出口から徒歩4~5分)
http://www.jinken.or.jp/houjingaiyou/access

連絡先(田中絢也):communi.labo@gmail.com

申し込みフォーム→こちらから

よろしくお願いいたします。

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カウンター
プロフィール
HN:
Junya Tanaka
性別:
男性
職業:
NGOスタッフ/参加型の場づくり研究・実践家
自己紹介:
青山学院大学の社会人大学院社会情報学研究科ヒューマンイノベーションコースで参加型の場づくり、ワークショップデザイン、ファシリテーションなどについて研究をしながら、震災関連の仕事をしています。

2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。

2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。

また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
◇参加型ファシリテーション入門編ワークショップ
◇傾聴力ワークショップ
◇アイスブレーキング体験学習ワークショップ
◇開発と気候変動を考える参加型ワークショップ
<現在企画中>
▽発問力ワークショップ
▽ワークショップデザインコース
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