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コミュニケーション・ラボラトリーの公式ブログです。イベントの告知のほか、いままで書き溜め、Mixiなどで公開していた文章なども公開していきます。
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昨日(11月11日)は箱庭円舞曲の「否定されたくてする質問」という公演の千秋楽を観てきました。単純に、先月観に行った公演でチラシを見て、「このタイトルは気になりすぎる!」って思っていたのですが、その後、友人数名から箱庭円舞曲はいいよって勧められていました。

観てみて、ほんと観に来てよかったああああああって思える程楽しすぎました。演技も演出もすごくステキで、そしてストーリーとセリフ回しがすばらしく、笑いあり、深く突き刺さる言葉があり、一瞬も飽きさせない2時間でした。

(以下少しだけネタバレ。)
2005年に一度公演した同じタイトルの作品の、再演といいつつほぼ新作。演者さんも全員新しいという状況でしたが、ストーリーの上でもマンガ原作者吉富が、恋人のあつこと組んでマンガを書いていた7年前のストーリーが前公演。

今作ではその吉富が別の描き手とマンガを描いている7年後の世界であり、実際の時間軸を経た上で、漫画と舞台という手段は違うものの、表現の世界で生きる人達の生の「声」が散りばめられていた作品だったと思いました。7年前の作品と違う題材で同じような展開で描こうとする作中の吉富と、それに対してこの公演自体が「単なる再演でも焼き回しでもない」という強い意志の現れなんだろうなと勝手に解釈をしました。編集者羽生の「7年間経てばファンも入れ替わる。だからといって同じようなストーリーを使い回していいのか。ファンは気づくぞ」という主旨の台詞にもそれが現れていると思いました。そうして観ると、前回公演がどんなだったのか観た上で今回のを観たかったなという思いも募りました。

作中で「依頼者の思いのままに仕事をするか、自分の美学に従って仕事をするか」という問いかけが何度かありました。好きな仕事を、好きなように。自分と向き合って、消費者や会社と向き合って、苦悩しながら仕事に取り組む劇中の人達の色々な言葉が、僕にはとっても突き刺さったのでした。これから僕もそういうことに悩みながら生きていくし、そうして生み出していくもので生活をしていくのだと思う。

そういう思いテーマなストーリーとともに、コミカルでユーモアのある演技と台詞に溢れていて、エンターテイメントとして一流だと心から感じました。
・アラサー女性漫画家役の片桐はづきさんは切れのある動きだけでにやつかせてもらったし、
・ボランティア漫画アシスタントの須貝英さんの空気の読めない間の悪い感じもなんども笑ったし、
・ベテランプロアシ牛水里美さんのキレキレの突っ込みや如才ない感じからの毒舌キャラへの豹変ぶりも良かったし、
・エロ漫画雑誌編集者鷲尾直人さんは3月に観た「夜のしじま」のさわやかな役からは一変したうさんくさいキャラがはまってたし、
・新人編集者白石廿日さんのコロコロ変わる表情と最年少なのに空気が読めているようで読めてない感が大好きになりました。
・漫画原作者役の小野哲史さんは台詞は多くないものの声と演技でシリアスな場面に重厚な雰囲気を加えていたし、
・表情しか書けない漫画家役の久保貫太郎さんはちゃらけてだらしないオーラぷんぷんでバクマンの中井を思い起こさせる演技でした。
・結婚しただんなの家から逃げてアトリエに居候する漫画原作者妹役の村上直子さんのしょっぱなバスタオル登場から後半のカッパ芸と体を張った演技と、場面場面で登場人物に適度な距離で絡んでアクセントを加えていたし、
・元漫画家で週刊誌編集役の爺隠才蔵さんは最後の方で漫画論を語り合うシーンのセリフ回しと迫力は圧巻でした。

とにもかくにも、この2時間本当に楽しくて次回公演もまた観に行きたい、客演の方の舞台も観に行きたいなって心から思いました。今月はまだ演劇を見る予定がいくつかあるので、芸術の秋楽しんでいきたいと思います。
ではでは〜

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プロフィール
HN:
Junya Tanaka
性別:
男性
職業:
NGOスタッフ/参加型の場づくり研究・実践家
自己紹介:
青山学院大学の社会人大学院社会情報学研究科ヒューマンイノベーションコースで参加型の場づくり、ワークショップデザイン、ファシリテーションなどについて研究をしながら、震災関連の仕事をしています。

2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。

2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。

また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
◇参加型ファシリテーション入門編ワークショップ
◇傾聴力ワークショップ
◇アイスブレーキング体験学習ワークショップ
◇開発と気候変動を考える参加型ワークショップ
<現在企画中>
▽発問力ワークショップ
▽ワークショップデザインコース
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