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コミュニケーション・ラボラトリーの公式ブログです。イベントの告知のほか、いままで書き溜め、Mixiなどで公開していた文章なども公開していきます。
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先々週くらいに日本が出した温室効果ガス削減目標「2005年度比で15%削減」に対して、今日、国連事務総長パンギムン氏が「もっと『野心的な』ものであってほしい」と述べました。

この「野心的」という言葉、麻生総理自身も発表の際に「野心的な目標」と表現しているのですが、なんとも違和感のある言葉に感じるのは僕だけでしょうか。

英語では「ambitious target」という言葉が使われており、それを和訳した場合「野心的な目標」となるのでしょうが、ここでいう「ambitious」と「野心的」は、訳として「=(イコール)」なのかは疑問があります。

「あなたは野心的ですね」と言われてうれしい人はあまりいないですよね。

そもそも「野心」という日本語にはどこか否定的な含みがあり、どこか「腹黒い」であるとか「人よりも」みたいイメージを持たれがちだと思うのです。そして英語でいう「ambitious」にはそのような含みは感じられません。

ニュースを見て違和感を感じるのはここの違いだと思うのです。

「ambitious」という言葉を聞いて、多くの人が思い出すのはクラーク博士の「Boys, be ambitious!」だと思いますが、この言葉は「少年よ、大志を抱け!」という風に訳されています。
(この言葉が本当にクラーク博士が言ったものなのかは異論があるようですが)。
これがもし、「少年よ、野心的であれ!」と訳されていたら、だいぶイメージは違ったし、だれもが知っているような名文句にはならなかった気がします。

と、そんなことを思いながら辞書で調べていると、日本語でも、形容詞「野心的」の使い方は、人を形容するときと、計画や目標を形容する時ではニュアンスが違うようです。

◆計画などが野心的: 大がかりな ・ 大胆な ・ 壮大な(計画) ・ 大きく構えた ・ 途方もない ・ 大風呂敷的な ・ チャレンジングな ・ 困難を覚悟の ・ やり甲斐のある ・ 「(何と)大それたことを~」

◆人などが野心的: 野心家 ・ 自信満々の ・ 功名心にはやる ・ 権力志向型の ・ 上昇志向の強い ・ 負けず嫌いの ・ どん欲な ・ 攻撃的な(性格) ・ 挑戦して止まない ・ ギラギラした ・ 脂(あぶら)ぎった(性格の)
(http://thesaurus.weblio.jp/content/%E9%87%8E%E5%BF%83%E7%9A%84)

人を形容する時の方がネガティブなニュアンスが多いのは一目瞭然ですね。「野心家」のように、こちらの使われ方が一般的になっているために、「野心」という言葉自体のイメージが定着してしまっているのかもしれません。

さて最後に、今回の「2005年度比15%削減」に対して少しコメントをしておきたいなと。
今回の発表は、おもに二つの点で、混乱を誘っているな、と感じています。

第一点は環境系のNGOが批判しているとおり、基準年を2005年にしていること。
京都議定書やヨーロッパが基準としている1990年から2005年では日本は温室効果ガス排出量が増えてしまっているため、目標基準年を2005年にしたい、としています。
ただしこれはある種の間接的メディアコントロール、イメージコントロールにためにそうしている気がします。

数字でいえば2005年比15%は、1990年比の8%です。この発表に際し、2005年比15%と言えば、メディアの見出しは「日本の温室効果ガス削減中期目標15%」となるでしょう。実際にそう見出しを出しているところも多いです。
90年比8%というよりも、数字が大きい分イメージがよいです。読み手は情報を得る際に「基準年」と「目標値」を確認しなければならなく、誤解を招きやすいのです。

もう一点は「真水で15%」という点です。「真水」というのは、海外からの排出権クレジット(海外の排出量をお金で買い取う排出権取引や、クリーン開発メカニズム<CDM>で海外に温室効果ガス削減技術を提供し、その一部をもらうこと)を含まず、国内での削減数値のみで15%、という意味です。

ちなみにEUの目標20%やアメリカの目標14%には、こうしたクレジット分は含まれているらしいのです。

日本は「真水のみ」と発表することで、排出権クレジットを含めた実際の「日本の削減目標」を発表していない、という印象が僕にはあります。このあたりは環境系の団体もあまり指摘していないように思われます。

クレジットに関しては、どの国からどのくらい買うのかという予算の関係と、CDMの場合の技術移転が「国の技術の流出である」という一部業界からの反発によって、実際にどれくらいになるのかが微妙な当たりです。というよりも目標を発表する時期までに議論をまとめることができなかったというのが本音じゃないかと思います。

そのため、2005年度比に真水で15%という発表をすることで、本当の目標設定を先延ばし(もしくはごまかし)しているのではないでしょうか。ここの辺りって非常に大事なところだと思うのですね。
排出権クレジットのあたりなどは、途上国からしたら多額のお金を手に入れるチャンスになりますし、関心も高いと思います。

本来であるならば、先進国は、真水で●%で、クレジットで△%、合計◆%と発表するべきだと思います。

まだそこまでの議論ができていない、というのが現状なのでしょうが・・・・。

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アムステルダムを経由して、昨日の午前、成田に到着しました。

1日目の続きで、2日目の振り返りをしたいと思います。

1日目の総括には書きわすれたのですが、今回のフォーラムの特徴的なところは、パソコンを使った意見収集のシステムを徹底して使っている点です。 会場には30台以上のパソコンがあり、100人の参加者は3人で一つのパソコンを使います。プレゼンや発表が終わると質問や意見やアイディアをパソコンに うち、また集められた意見や質問に賛同する投票をして、たくさんの人が思っている内容が全体に反映されるようにするためのシステムなのだと思います。 100人もいると限られた時間で意見を収集するのは大変なので、改善の余地はあるものの面白い試みだとは思いました。

さて、2日目の午前はInterreligious panel on climate changeということでキリスト教、ユダヤ教、イスラム教、ヒンドゥー教の人たちがそれぞれの宗教の観点から気候変動について語り合っていました。話の 内容としては、ヒンドゥーを除けば、世界の創世あたりはほぼ一緒なので、そこらへんからくるスタンスはあまり変わらないのかなという感じがしましたね。た だ、一部の人が、How can we use religion to motivate people to live sustainably(どうすれば宗教を使えば、人々を持続可能な生活をすることを推進できますか?)というような質問をしていて、「宗教を使う」と いっている時点で、ちょっと違うよなーという気がしました。

休憩を挟んで、4つのグループに分かれて「気候変動の人的影響」について話し合う時間が持たれました。パソコンを使ってインプットする時間やシ ミュレーションはありましたが、面と向かって意見を交わしあうのは初めてといえます。ただ20人以上いて1時間程度しか時間がないので意見を交わすという ほどには行きませんでしたが。

ここで僕はずっと感じていたことを更に強く感じ、それをはっきりと言ってみることにしました。1日目の途中くらいから感じていたことなのですが、 フォーラムのテーマがHuman Impact of Climate Change(気候変動の人的影響)というわりには、適応よりも緩和、つまり持続可能なライフスタイルや二酸化炭素排出削減や再生可能なエネルギーについ ての話や意見が全体として多いなぁと。普段でも環境系のイベントに行くとそういう感じを得るのですが、さすがにHuman Impactをテーマにしているはずなのにどうしてだろう・・・という思いです。僕自身、環境問題に関心を持ち出したのは最近で、人権や開発の経験から気 候変動の問題を重要視しているので、緩和の方は自分も経験はあまりなく、「Am I in the right place? (僕は自分がいるべきところにいるのだろうか?)」と自問自答してしまう場面も多かったのです。

1日目のスピーカーでも、アナン氏やGHFのCEOであるWalter氏は気候難民や自然災害の増加、感染症の拡大などについて強く言及し、どう やってそれに世界が対応していくのか、どうすれば温室効果ガス削減や再生可能なエネルギー利用といった緩和のアプローチと同じように適応のアプローチが議 論されるべきだと強く主張していました。しかしそれ以外の若者代表のスピーチは緩和についての言及が多かったのです。

このディスカッションの時間もオーストラリア、フランス、スイス在住の参加者が、緩和についての話をし始めたのです。僕はそこで思いきって発言してみることにしたのです。

「ちょっと話を違う方向に持っていきたい。先ほどからCO2削減や持続可能性というような緩和についての話が多いけど、もっとClimate Justice(気候の公平性)や気候難民というような人的影響の話をしませんか?今回の参加者には途上国の人たちもたくさんきていて、彼らがどんな気候 変動に直面し、どのように苦しんでいるか話を聞くことができていると思います。昨日のアナン氏やWalter氏の話もそうでした。なのに私たち、特に先進 国に住んでいる参加者は、それに対して「だから私たちにできることは温室効果ガスを減らすことだけなのです」と言っているように聞こえるのです。そうした アプローチは20年後、30年後まで効果がでるかわからないはずです。僕はもともと子どもの権利の問題に興味があり、気候変動が途上国の子どもたちに与え る影響を危惧してこのような環境の活動にも参加し始めました。僕は、いま命を脅かされている子どもたちに対して、20年、30年待っていて、なんて決して 言いたくないです。僕たちが彼らに対してできることについてもっと語り合いませんか?」と。

すこしの沈黙がありました。そしてディスカッションの時間が終わり、僕が提案したことについてはあまり議論を深めることができなかったのです。

そのあたりで気付いたことは、参加者の多くは「話したくない」わけではなく、「話せることを持っていない」のだなということです。参加者のバック グランドでも、保健や災害、人権の分野から来ている人が少ないのも事実でした。先進国からきた参加者の多くは環境問題の中でも緩和のアプローチについては 経験があっても適応については知識も経験もあまりなく、共有できることがあまりにも少ないのだなと。それは僕が自分自身に感じていることでもあり、日本で の環境活動でも感じていることでもありました。

ああ、そうか、だからやらなきゃいけないんだなと。改めて決意をしました。

昼休憩中にはアイディアフェアーという団体のブースがあり、ご飯を食べながら話を聞きました。その中にはUNDPで気候変動への適応としての開発 アプローチについての資料をもらったり、World Meteorogical Organization (世界気象機構)で開催される世界気象会議について話を聞いたりしました。自分が欲しかった情報がいくつかもらえて良かったです。

さて、午後になって、いくつかのプレゼンを聞いた後、参加者主体でアクションを考えるセッションが始まりました。2日目の終わりから3日目まで、 アイディアのブレインストーミングから、フィードバックを受けての練り直し、質疑応答をして、評価の高いものに絞り、最終的に5つのプロジェクトをタスク フォースで仕上げるというプロセスになります。

ここで僕は、環境活動を行う若者がもっと気候変動による人的影響について知り、自分たちができる活動を考えていくためのプログラムを作ろうと思 い、バングラデシュ出身のサイードくんと一緒に企画書を書きました。基本的には途上国を始め、世界中の人から彼らが体験したり、観察した気候変動の問題を 集め、可視化していくプログラムです。この企画書は、フィードバックでは実現可能性が高いとは言われましたが、似たようなプログラムはたくさんある、影響 力は大きくないのではないか、というような批判も受けました。そうした部分をなおして、企画書を書き直し、2日目のプログラムは終わりました。

終わった後参加者は思い思いに街に出て、ご飯を食べにいきました。ただあいにくの雨で、濡れながらレストランを探すことになりました。街の中心部 の方へ移動して、人があまり入っていない、クレープのお店に20人くらいで(笑)入り、みんなでいろんなクレープを食べながら談笑してました。

さてさて、長く、しかもちょっと感情的になりましたが2日目の総括はこんな感じでした。続きはまた!

P.S.
帰りの飛行機の中で映画が観れて、何を見ようかなと思ったら、福山主演のガリレオ映画版「容疑者Xの献身」がありました。あ~そういえばみてなかったなと思い軽い気持ちで見始めたのですが・・・・・

最後の方で号泣です。やばいくらいに泣きました。となりの女性(欧米系)にめっちゃ心配されました。枕で顔を隠してなきました。まさに「涙で枕を濡らしたあの夜」状態です。恥ずかしい。
最後の20分くらいで泣き始めて、終わってから30分くらい泣き続けました。
映画であんなに泣いたの初めてです。っていうか人生の中でもあんなに涙が出たのは久しぶりかもしれません。嗚咽まででました。それくらい泣けた。 後半、寂しすぎる、切なすぎる、愛情がまっすぐすぎて辛すぎる。あんな風に人を愛せたり、人に愛されることなんてできるのでしょうか。感情移入しすぎまし た。最後の方の「どうして!」のあたりがもう・・・・やばいすぎです。見てない人がいたらぜひお勧めします。

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3日間の会議が終わりました。途中で更新しようと思っていたのですが、一度始まってしまうとできていませんでした。
3日間終わった状況ですが、1日目から報告していきたいと思います。

1日目はゲストスピーカーたちのプレゼンがメインで、午後にUNFCCCという国連会議のシミュレーションをしました。
ゲストのプレゼンといっても、しゃべるのは主催者を除けばほとんど同年代。途上国の学校でシーソーで発電する仕組みを作り再生可能なエネルギーを 促進する企業したイギリスの学生や、世界的な気候変動キャンペーンに取り組む女性や、13歳から環境問題や倫理観について小説を書いている双子のインド 人、デザインナーで自然に分解可能な材料で60bagsというエコバックを作り、ポーランドで会社を興した女性などなど、個性豊かな人たちから活動につい てと彼らの思いについて語っていただきました。

おしむらくは、エネルギー対策の話が多かったことでしょうか。Human Impact of Climate Change(気候変動の人的影響)というテーマのわりには・・・です。もちろん再生可能なエネルギーなど、重要なことはたしかなのですけど。

そしていろいろなプレゼンが終わった後、UNFCCCのシミュレーションをしました。UNFCCCというのは気候変動について議論する国連会議な のですが、その中でも、適応基金の運用について、実際のプロジェクトを参考に各国の代表となってどのプロジェクトが資金を得て始めるべきかという議論で す。
前の日記にも書きましたが、ぼくはアルジェリアの代表で、4つのプロジェクトのうちスーダンでの水資源に関するプロジェクトと、バングラデシュ での災害に強い環境作りに関するプロジェクトを応援することにしました。他のモルディブとルワンダのプロジェクトを強く推す国もありましたが、2時間の討 論の末に最終的にバングラとスーダンのプロジェクトが採用されるということになりました。
高校時代に模擬国でつちかった経験は多少は生きたみたいです。まー、このプログラム自体は、どれだけ国際舞台での交渉が大変かということを理解できればいい、って感じだったのですが。

で、1日目の最後にですが、サプライズでアナン前国連事務総長がいらっしゃってスピーチをしてくれました!写真と内容はこんどまたアップします が、めっちゃ心に響くスピーチでした。(アナンさんはこのフォーラムを主催するGlobal Humanitarian Forumを主導しているので)。

まー一日目なのでかなりインプットが多かったのですが、2日目以降を期待しようと思います。


という感じで1日目を振り返りました。あとで2日目以降を振り返ります!

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おはようございます、スイス時間朝7時半です。
スイス産ミルクとケロッグコーンフロストで朝ご飯を食べたところです。
3日間のバカンスを終え、今日から目的の会議が始まります。

なので昨日は、お昼に会議でパートナーとなるジュネーヴ在住のアルゼンチン人ジュリアとご飯を食べながらプログラムについて話し合い、

3時には会議場に行ってスタッフや早めについて参加者をおしゃべりをしておりました。

参加者はほんと色々な国から来ていて、昨日会えただけでも、スイス、ノルウェー、アメリカ、インド、オーストラリア、コスタリカ、ホンジュラス、 グアテマラ、コートジボアール、ブータン、イギリス、中国からの人がいました。100人の参加者でおそらく出身国数は40を超えるのじゃないかと思いま す。

今日は会議一日目で、インプット、まぁつまり話を聞く時間のほうが結構長くなりそうです。まぁ、もともと気候変動への人的影響というテーマ自体あ まりいままで議論されているものではないので、そういうテーマの経験を持った参加者も全員というわけではありません。ちゃんとしたインプットがなされなか れば議論も進んでいかないので。

そしてインプットの後にはUNFCCCのシミュレーションを行います。
シンプルにした模擬国の形式をとって2時間くらいで行うのですが、今回は4つの適応プロジェクト(ルワンダ、スーダン、バングラデシュ、モルディ ブ)のうち、どれが資金提供を受けるのに相応しいかという議論をする予定で、僕はジュリアと一緒にアルジェリアの政府代表となります。

アルジェリアという国はアフリカで2番目に大きな国で、世界でも14番目に石油埋蔵量があり、エネルギー政策で言えば化石燃料に依存している具合 が大きいです。しかし環境政策的にはアフリカ各国のなかでもリーダーシップをとろうとしており、再生可能なエネルギーへの転換へも積極的に取り組もうとし ています。立場的にはアフリカのプロジェクトを支援すべきなのでしょうけど、内容がちょっと微妙な二つなのでそこらへんが揉めそうです。まぁお楽しみに。

みんなと自己紹介などを済ました後、夜7時にメインステーションに行って、IUKBという大学のKarl Hanson教授と会ってきました。彼はIUKBがスイスのフライブルグ大学と共同で行っているMaster of Advanced Studies in Child Rights (上級子どもの権利学修士号)プログラムのコーディネーターをしています。昨年コのプログラムを見つけ、2011年の入学に向けて準備をしており、今回の スイス行きをチャンスにお話しを聞くことにしました。

インターネットの情報だけじゃわからない、プログラムの全容について詳しくお話を聞くことができ、イメージがわいてきました。前年度プログラムに 参加していたという日本人二人(ザンビアとネパールのユニセフ事務所勤務らしい)も紹介していただけるというのでありがたいです。がんばってお金貯めて、 入学できるようにしたいと思います(コのプログラムは特殊で、2年間で8回のモジュールという一週間の滞在学習以外は自宅で遠距離教育を受けて卒業できる というプログラムで、2年間の間もほぼ日本にいる予定です。)

さて、今日も一日がんばって行きたいと思います。

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2年ぶりに海外にでて、移動時間がたくさんあったり、普段と違う環境に置かれていろいろと考えることがあります。

なんで考えるのかって言うと、それは考える以外にやることがない時間がたくさんあるからなのかもしれないって、そう思うのです。

日本にいると、色々なお店が周りにあり、携帯電話は常にオンで、インターネットの世界につながっている。空いた時間があると携帯でいろいろ調べた り、携帯からメールをチェックしたり、メールしたり、お店に入って色々見たり、コンビニで立ち読みしたりしてしまう。家でもたくさん本や資料があって読ん だり、テレビ見たり、動画を見たり。

何かすることがあると、あえて「考える」という行為を積極的にしなくなる。他に何かがあればあんまりしない。

携帯にしても、コンビニにしても、「いつでも」「どこでも」です。
そこにある「自由さ」とか「便利さ」という概念は一体僕らを幸せにしているのだろうか、とも思うのです。

僕らはその自由さや便利さの代わりに失っているものがあるんじゃないか、とも思うのです。

僕だけなのかもしれないのだけど、何でもできるという自由を奪われたとき、自分の思考は逆に自由に広がり、いつもより活性化したりします。
まるで体に与えられた不自由に反発するかのように、いつもならば考えないようなことを、普段とは違うところまで突き詰めて、新鮮な思考をもたらしてくれます。

旅をしていると、そんな時間がたくさんある。移動しているときとか何かを待っているとき、普段なら何気なく手にしてしまう携帯電話がないから自然 と思考が深まり広がっていく。自己との対話が始まる。旅をして色々なものを見ることよりも、僕はむしろそうした自分と向き合う時間の方が旅の醍醐味のよう にすら思えるのです。

時折ニュースなんかで、現代は「情報の氾濫している」と言っていて、それが様々な社会問題の鯨飲のように語る評論家もいたりする。でも旅をしなが ら思考の自由について考えていると、情報が氾濫していることが問題なのではなく、情報を取り込み、自分なりにかみ砕き、処理し、自分の考えに反映させると いうような時間が足りてないのではないかとも思える。

それってとても必要なことなのだけど、なかなか「日常」のなかではできないのかもしれない。

だから旅をすることが必要なのかも。世界を見ながら、自分と向き合うために。

さて、一応もう一個前の日記も読んでみてくださいね。

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気候変動によって影響を受ける国々は、その影響を抑え、被害を最小限にするため、適応プロジェクトを実施する必要があります。その適応プロジェクトの主な資金源となるのが適応基金です。

適応基金について詳しく知っている人はあまり多くないと思うので、できるだけ分かりやすくまとめて見たいと思います。
ただ、もともととても複雑なものなので、あんまりわかりやすくはならないかもしれません。分かりにくいところは指摘してください(「どこがわからないか」がわかるくらいにはしたいです)

<基礎情報>
適応基金は、「気候変動による悪影響に対して特に脆弱な国々において行われる具体的な適応プロジェクトやプログラム」のために資金提供をするために設立されました。

資金を受ける資格がある京都議定書の締結国である開発途上国のみです。

2001年にモロッコで行われた第7回国連気候変動枠組み条約第7回締約国会議(COP7)に採択された「マラケシュ合意」において言及され、2007年の「バリ合意」でその詳細が決まりました。

<資金源>
適応基金はクリーン開発メカニズム事業(CDM事業)やその他の資金リソースが資金源とされています。

「クリーン開発メカニズム」というのは京都議定書において定められた温室効果ガス削減に関する仕組みで、「柔軟性措置」とも言われています。これ は開発途上国と開発先進国が共同で温室効果ガス削減プロジェクトを途上国内で行い、そのプロジェクトで生じた温室効果ガス削減分を先進国がクレジットとし て自分の国の削減分に当てることができるというものです。

たとえば省エネ技術に秀でている日本が、途上国の工業地域に省エネ技術を提供をし、それによって温室効果ガスが削減された場合、一部を日本が削減した、ということにしてもいいという仕組みです。
工業化が進んだ多くの先進国は自国での削減に限界があるため、こうした途上国支援によって自国の削減に一助としようということですね。適応基金で は、このCDM事業によって認証された排出削減量 (CER= Certified emission reduction)から算出される利益の2%が資金源となります。

2007年暮れの時点で資金は3千7百万ユーロ(60億円)あり、その後CDM市場の活発化により、2008年〜2012年の第一約束期間中に8千万ユーロから3億ユーロ(130億〜300億円)が見込まれています。

しかしながらUNFCCC事務局は適応にかかるコストが56兆〜197兆円に達すると試算していて、必要な資金と調達できる資金に大きな隔たりが あります。(適応のための資金メカニズムは適応基金以外にも気候変動特別基金や後進開発途上国(LDC)基金があり、適応基金だけで賄わなければいけない わけではありませんが、全体として不足していることに間違いありません。)

<体制>
適応基金は適応基金理事会によって管理・運営されます。適応基金理事会は16人の理事とそれぞれ1人ずつの代理人から構成され、1年に2回ほど会 合を開きます。締結国からの招待を受け、暫定的に地球環境ファシリティ(GEF = Global Environmental Facility) が事務局サービスを提供し、世界銀行が受託機関となっています。この暫定的な体制は2011年に見直される予定です。

適応基金理事会のメンバーは、国連5地域から2人ずつ(計10人)、島嶼国から1人、低開発途上国1人、 附属書1国から2人、非附属書1国から2人の合計16人です。付属書1国というのは主に工業先進国で、非付属書1国はそこに含まれない開発途上国です。こ のような形でかなり途上国のメンバーを重視しています。
そして意思決定は1国1票の投票で、2/3以上でなされます。

適応基金理事会には様々な役割がありますが、たとえば
・資金提供をするプロジェクトのクライテリア(検討条件)の決定
・資金提供をするプロジェクトの決定や割り当てる資金の量の決定
などがあります。

今後2008年のポヅナン、今年のコペンハーゲンでのCOPでの適応に関する情報を紹介できれば思います。

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カウンター
プロフィール
HN:
Junya Tanaka
性別:
男性
職業:
NGOスタッフ/参加型の場づくり研究・実践家
自己紹介:
青山学院大学の社会人大学院社会情報学研究科ヒューマンイノベーションコースで参加型の場づくり、ワークショップデザイン、ファシリテーションなどについて研究をしながら、震災関連の仕事をしています。

2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。

2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。

また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
◇参加型ファシリテーション入門編ワークショップ
◇傾聴力ワークショップ
◇アイスブレーキング体験学習ワークショップ
◇開発と気候変動を考える参加型ワークショップ
<現在企画中>
▽発問力ワークショップ
▽ワークショップデザインコース
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