コミュニケーション・ラボラトリーの公式ブログです。イベントの告知のほか、いままで書き溜め、Mixiなどで公開していた文章なども公開していきます。
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気候変動によって影響を受ける国々は、その影響を抑え、被害を最小限にするため、適応プロジェクトを実施する必要があります。その適応プロジェクトの主な資金源となるのが適応基金です。
適応基金について詳しく知っている人はあまり多くないと思うので、できるだけ分かりやすくまとめて見たいと思います。
ただ、もともととても複雑なものなので、あんまりわかりやすくはならないかもしれません。分かりにくいところは指摘してください(「どこがわからないか」がわかるくらいにはしたいです)
<基礎情報>
適応基金は、「気候変動による悪影響に対して特に脆弱な国々において行われる具体的な適応プロジェクトやプログラム」のために資金提供をするために設立されました。
資金を受ける資格がある京都議定書の締結国である開発途上国のみです。
2001年にモロッコで行われた第7回国連気候変動枠組み条約第7回締約国会議(COP7)に採択された「マラケシュ合意」において言及され、2007年の「バリ合意」でその詳細が決まりました。
<資金源>
適応基金はクリーン開発メカニズム事業(CDM事業)やその他の資金リソースが資金源とされています。
「クリーン開発メカニズム」というのは京都議定書において定められた温室効果ガス削減に関する仕組みで、「柔軟性措置」とも言われています。これ は開発途上国と開発先進国が共同で温室効果ガス削減プロジェクトを途上国内で行い、そのプロジェクトで生じた温室効果ガス削減分を先進国がクレジットとし て自分の国の削減分に当てることができるというものです。
たとえば省エネ技術に秀でている日本が、途上国の工業地域に省エネ技術を提供をし、それによって温室効果ガスが削減された場合、一部を日本が削減した、ということにしてもいいという仕組みです。
工業化が進んだ多くの先進国は自国での削減に限界があるため、こうした途上国支援によって自国の削減に一助としようということですね。適応基金で は、このCDM事業によって認証された排出削減量 (CER= Certified emission reduction)から算出される利益の2%が資金源となります。
2007年暮れの時点で資金は3千7百万ユーロ(60億円)あり、その後CDM市場の活発化により、2008年〜2012年の第一約束期間中に8千万ユーロから3億ユーロ(130億〜300億円)が見込まれています。
しかしながらUNFCCC事務局は適応にかかるコストが56兆〜197兆円に達すると試算していて、必要な資金と調達できる資金に大きな隔たりが あります。(適応のための資金メカニズムは適応基金以外にも気候変動特別基金や後進開発途上国(LDC)基金があり、適応基金だけで賄わなければいけない わけではありませんが、全体として不足していることに間違いありません。)
<体制>
適応基金は適応基金理事会によって管理・運営されます。適応基金理事会は16人の理事とそれぞれ1人ずつの代理人から構成され、1年に2回ほど会 合を開きます。締結国からの招待を受け、暫定的に地球環境ファシリティ(GEF = Global Environmental Facility) が事務局サービスを提供し、世界銀行が受託機関となっています。この暫定的な体制は2011年に見直される予定です。
適応基金理事会のメンバーは、国連5地域から2人ずつ(計10人)、島嶼国から1人、低開発途上国1人、 附属書1国から2人、非附属書1国から2人の合計16人です。付属書1国というのは主に工業先進国で、非付属書1国はそこに含まれない開発途上国です。こ のような形でかなり途上国のメンバーを重視しています。
そして意思決定は1国1票の投票で、2/3以上でなされます。
適応基金理事会には様々な役割がありますが、たとえば
・資金提供をするプロジェクトのクライテリア(検討条件)の決定
・資金提供をするプロジェクトの決定や割り当てる資金の量の決定
などがあります。
今後2008年のポヅナン、今年のコペンハーゲンでのCOPでの適応に関する情報を紹介できれば思います。
適応基金について詳しく知っている人はあまり多くないと思うので、できるだけ分かりやすくまとめて見たいと思います。
ただ、もともととても複雑なものなので、あんまりわかりやすくはならないかもしれません。分かりにくいところは指摘してください(「どこがわからないか」がわかるくらいにはしたいです)
<基礎情報>
適応基金は、「気候変動による悪影響に対して特に脆弱な国々において行われる具体的な適応プロジェクトやプログラム」のために資金提供をするために設立されました。
資金を受ける資格がある京都議定書の締結国である開発途上国のみです。
2001年にモロッコで行われた第7回国連気候変動枠組み条約第7回締約国会議(COP7)に採択された「マラケシュ合意」において言及され、2007年の「バリ合意」でその詳細が決まりました。
<資金源>
適応基金はクリーン開発メカニズム事業(CDM事業)やその他の資金リソースが資金源とされています。
「クリーン開発メカニズム」というのは京都議定書において定められた温室効果ガス削減に関する仕組みで、「柔軟性措置」とも言われています。これ は開発途上国と開発先進国が共同で温室効果ガス削減プロジェクトを途上国内で行い、そのプロジェクトで生じた温室効果ガス削減分を先進国がクレジットとし て自分の国の削減分に当てることができるというものです。
たとえば省エネ技術に秀でている日本が、途上国の工業地域に省エネ技術を提供をし、それによって温室効果ガスが削減された場合、一部を日本が削減した、ということにしてもいいという仕組みです。
工業化が進んだ多くの先進国は自国での削減に限界があるため、こうした途上国支援によって自国の削減に一助としようということですね。適応基金で は、このCDM事業によって認証された排出削減量 (CER= Certified emission reduction)から算出される利益の2%が資金源となります。
2007年暮れの時点で資金は3千7百万ユーロ(60億円)あり、その後CDM市場の活発化により、2008年〜2012年の第一約束期間中に8千万ユーロから3億ユーロ(130億〜300億円)が見込まれています。
しかしながらUNFCCC事務局は適応にかかるコストが56兆〜197兆円に達すると試算していて、必要な資金と調達できる資金に大きな隔たりが あります。(適応のための資金メカニズムは適応基金以外にも気候変動特別基金や後進開発途上国(LDC)基金があり、適応基金だけで賄わなければいけない わけではありませんが、全体として不足していることに間違いありません。)
<体制>
適応基金は適応基金理事会によって管理・運営されます。適応基金理事会は16人の理事とそれぞれ1人ずつの代理人から構成され、1年に2回ほど会 合を開きます。締結国からの招待を受け、暫定的に地球環境ファシリティ(GEF = Global Environmental Facility) が事務局サービスを提供し、世界銀行が受託機関となっています。この暫定的な体制は2011年に見直される予定です。
適応基金理事会のメンバーは、国連5地域から2人ずつ(計10人)、島嶼国から1人、低開発途上国1人、 附属書1国から2人、非附属書1国から2人の合計16人です。付属書1国というのは主に工業先進国で、非付属書1国はそこに含まれない開発途上国です。こ のような形でかなり途上国のメンバーを重視しています。
そして意思決定は1国1票の投票で、2/3以上でなされます。
適応基金理事会には様々な役割がありますが、たとえば
・資金提供をするプロジェクトのクライテリア(検討条件)の決定
・資金提供をするプロジェクトの決定や割り当てる資金の量の決定
などがあります。
今後2008年のポヅナン、今年のコペンハーゲンでのCOPでの適応に関する情報を紹介できれば思います。
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プロフィール
HN:
Junya Tanaka
性別:
男性
職業:
NGOスタッフ/参加型の場づくり研究・実践家
自己紹介:
青山学院大学の社会人大学院社会情報学研究科ヒューマンイノベーションコースで参加型の場づくり、ワークショップデザイン、ファシリテーションなどについて研究をしながら、震災関連の仕事をしています。
2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。
2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。
また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
◇参加型ファシリテーション入門編ワークショップ
◇傾聴力ワークショップ
◇アイスブレーキング体験学習ワークショップ
◇開発と気候変動を考える参加型ワークショップ
<現在企画中>
▽発問力ワークショップ
▽ワークショップデザインコース
2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。
2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。
また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
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