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コミュニケーション・ラボラトリーの公式ブログです。イベントの告知のほか、いままで書き溜め、Mixiなどで公開していた文章なども公開していきます。
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アムステルダムを経由して、昨日の午前、成田に到着しました。

1日目の続きで、2日目の振り返りをしたいと思います。

1日目の総括には書きわすれたのですが、今回のフォーラムの特徴的なところは、パソコンを使った意見収集のシステムを徹底して使っている点です。 会場には30台以上のパソコンがあり、100人の参加者は3人で一つのパソコンを使います。プレゼンや発表が終わると質問や意見やアイディアをパソコンに うち、また集められた意見や質問に賛同する投票をして、たくさんの人が思っている内容が全体に反映されるようにするためのシステムなのだと思います。 100人もいると限られた時間で意見を収集するのは大変なので、改善の余地はあるものの面白い試みだとは思いました。

さて、2日目の午前はInterreligious panel on climate changeということでキリスト教、ユダヤ教、イスラム教、ヒンドゥー教の人たちがそれぞれの宗教の観点から気候変動について語り合っていました。話の 内容としては、ヒンドゥーを除けば、世界の創世あたりはほぼ一緒なので、そこらへんからくるスタンスはあまり変わらないのかなという感じがしましたね。た だ、一部の人が、How can we use religion to motivate people to live sustainably(どうすれば宗教を使えば、人々を持続可能な生活をすることを推進できますか?)というような質問をしていて、「宗教を使う」と いっている時点で、ちょっと違うよなーという気がしました。

休憩を挟んで、4つのグループに分かれて「気候変動の人的影響」について話し合う時間が持たれました。パソコンを使ってインプットする時間やシ ミュレーションはありましたが、面と向かって意見を交わしあうのは初めてといえます。ただ20人以上いて1時間程度しか時間がないので意見を交わすという ほどには行きませんでしたが。

ここで僕はずっと感じていたことを更に強く感じ、それをはっきりと言ってみることにしました。1日目の途中くらいから感じていたことなのですが、 フォーラムのテーマがHuman Impact of Climate Change(気候変動の人的影響)というわりには、適応よりも緩和、つまり持続可能なライフスタイルや二酸化炭素排出削減や再生可能なエネルギーについ ての話や意見が全体として多いなぁと。普段でも環境系のイベントに行くとそういう感じを得るのですが、さすがにHuman Impactをテーマにしているはずなのにどうしてだろう・・・という思いです。僕自身、環境問題に関心を持ち出したのは最近で、人権や開発の経験から気 候変動の問題を重要視しているので、緩和の方は自分も経験はあまりなく、「Am I in the right place? (僕は自分がいるべきところにいるのだろうか?)」と自問自答してしまう場面も多かったのです。

1日目のスピーカーでも、アナン氏やGHFのCEOであるWalter氏は気候難民や自然災害の増加、感染症の拡大などについて強く言及し、どう やってそれに世界が対応していくのか、どうすれば温室効果ガス削減や再生可能なエネルギー利用といった緩和のアプローチと同じように適応のアプローチが議 論されるべきだと強く主張していました。しかしそれ以外の若者代表のスピーチは緩和についての言及が多かったのです。

このディスカッションの時間もオーストラリア、フランス、スイス在住の参加者が、緩和についての話をし始めたのです。僕はそこで思いきって発言してみることにしたのです。

「ちょっと話を違う方向に持っていきたい。先ほどからCO2削減や持続可能性というような緩和についての話が多いけど、もっとClimate Justice(気候の公平性)や気候難民というような人的影響の話をしませんか?今回の参加者には途上国の人たちもたくさんきていて、彼らがどんな気候 変動に直面し、どのように苦しんでいるか話を聞くことができていると思います。昨日のアナン氏やWalter氏の話もそうでした。なのに私たち、特に先進 国に住んでいる参加者は、それに対して「だから私たちにできることは温室効果ガスを減らすことだけなのです」と言っているように聞こえるのです。そうした アプローチは20年後、30年後まで効果がでるかわからないはずです。僕はもともと子どもの権利の問題に興味があり、気候変動が途上国の子どもたちに与え る影響を危惧してこのような環境の活動にも参加し始めました。僕は、いま命を脅かされている子どもたちに対して、20年、30年待っていて、なんて決して 言いたくないです。僕たちが彼らに対してできることについてもっと語り合いませんか?」と。

すこしの沈黙がありました。そしてディスカッションの時間が終わり、僕が提案したことについてはあまり議論を深めることができなかったのです。

そのあたりで気付いたことは、参加者の多くは「話したくない」わけではなく、「話せることを持っていない」のだなということです。参加者のバック グランドでも、保健や災害、人権の分野から来ている人が少ないのも事実でした。先進国からきた参加者の多くは環境問題の中でも緩和のアプローチについては 経験があっても適応については知識も経験もあまりなく、共有できることがあまりにも少ないのだなと。それは僕が自分自身に感じていることでもあり、日本で の環境活動でも感じていることでもありました。

ああ、そうか、だからやらなきゃいけないんだなと。改めて決意をしました。

昼休憩中にはアイディアフェアーという団体のブースがあり、ご飯を食べながら話を聞きました。その中にはUNDPで気候変動への適応としての開発 アプローチについての資料をもらったり、World Meteorogical Organization (世界気象機構)で開催される世界気象会議について話を聞いたりしました。自分が欲しかった情報がいくつかもらえて良かったです。

さて、午後になって、いくつかのプレゼンを聞いた後、参加者主体でアクションを考えるセッションが始まりました。2日目の終わりから3日目まで、 アイディアのブレインストーミングから、フィードバックを受けての練り直し、質疑応答をして、評価の高いものに絞り、最終的に5つのプロジェクトをタスク フォースで仕上げるというプロセスになります。

ここで僕は、環境活動を行う若者がもっと気候変動による人的影響について知り、自分たちができる活動を考えていくためのプログラムを作ろうと思 い、バングラデシュ出身のサイードくんと一緒に企画書を書きました。基本的には途上国を始め、世界中の人から彼らが体験したり、観察した気候変動の問題を 集め、可視化していくプログラムです。この企画書は、フィードバックでは実現可能性が高いとは言われましたが、似たようなプログラムはたくさんある、影響 力は大きくないのではないか、というような批判も受けました。そうした部分をなおして、企画書を書き直し、2日目のプログラムは終わりました。

終わった後参加者は思い思いに街に出て、ご飯を食べにいきました。ただあいにくの雨で、濡れながらレストランを探すことになりました。街の中心部 の方へ移動して、人があまり入っていない、クレープのお店に20人くらいで(笑)入り、みんなでいろんなクレープを食べながら談笑してました。

さてさて、長く、しかもちょっと感情的になりましたが2日目の総括はこんな感じでした。続きはまた!

P.S.
帰りの飛行機の中で映画が観れて、何を見ようかなと思ったら、福山主演のガリレオ映画版「容疑者Xの献身」がありました。あ~そういえばみてなかったなと思い軽い気持ちで見始めたのですが・・・・・

最後の方で号泣です。やばいくらいに泣きました。となりの女性(欧米系)にめっちゃ心配されました。枕で顔を隠してなきました。まさに「涙で枕を濡らしたあの夜」状態です。恥ずかしい。
最後の20分くらいで泣き始めて、終わってから30分くらい泣き続けました。
映画であんなに泣いたの初めてです。っていうか人生の中でもあんなに涙が出たのは久しぶりかもしれません。嗚咽まででました。それくらい泣けた。 後半、寂しすぎる、切なすぎる、愛情がまっすぐすぎて辛すぎる。あんな風に人を愛せたり、人に愛されることなんてできるのでしょうか。感情移入しすぎまし た。最後の方の「どうして!」のあたりがもう・・・・やばいすぎです。見てない人がいたらぜひお勧めします。

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プロフィール
HN:
Junya Tanaka
性別:
男性
職業:
NGOスタッフ/参加型の場づくり研究・実践家
自己紹介:
青山学院大学の社会人大学院社会情報学研究科ヒューマンイノベーションコースで参加型の場づくり、ワークショップデザイン、ファシリテーションなどについて研究をしながら、震災関連の仕事をしています。

2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。

2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。

また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
◇参加型ファシリテーション入門編ワークショップ
◇傾聴力ワークショップ
◇アイスブレーキング体験学習ワークショップ
◇開発と気候変動を考える参加型ワークショップ
<現在企画中>
▽発問力ワークショップ
▽ワークショップデザインコース
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