コミュニケーション・ラボラトリーの公式ブログです。イベントの告知のほか、いままで書き溜め、Mixiなどで公開していた文章なども公開していきます。
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19日の木曜日から高尾で行われたYDP総会に参加してきました。
YDPというのはYouth, Development, and Peace Japan Networkの略で、日本の50以上の学生団体・ユース団体のネットワークです。このイベントのセッションの一部でファシリテーターとかコーディネーターをしました。
今回はテーマを決めたセッションに参加してもらうのではなく、前半にオープン・スペース・テクノロジー(OST)を使って、参加者が話したいこと を自由に語り問い詰め、後半に自分たちで選んだテーマで追求してもらうという形をとり、このオープン・スペース・テクノロジーの経験者としてルールの説明 などをしました。
実際にセッションの中では参加者からさまざまな提案がでて、自発的に自由な議論が交わされました。「幸せって?」「偽善って?」「正義って?」と いうような哲学的なテーマから、「市民社会の変えるには?」「みんなのコミットメントを上げるには?」というようなテーマまで。そしてそれらのテーマのな かからみんなが語りたいテーマを選び抜き、最終日のプレゼンテーションまで参加者が寝る時間も惜しんで準備をしていました。
そんな中で、僕は特定のグループには参加せずにいろいろなグループに顔を出しているといろいろな気付きがあったのです。
夕食の時間に「芸能・芸術」というテーマのグループで話をしていた子と話をしていると、彼女は「無関心な人たちにイベントを通じて行動を起こしてもらえるようにしたいんです」と言っていた。
それに対し僕は前々から思っていた疑問がふと浮かんだのです。
「無関心層って言うけど、僕らが彼らに対して無関心なんじゃないかな?」と。
一方「エイズ」について話をしているグループでは「ピア・エデュケーション」について語っていた。ピア・エデュケーションとはピア(対等な人・友 人)による啓発活動で、同年代が語ることでもっとエイズという問題(他の問題でも使えるが)について身近に感じてもらうということです。
ここでも同じような疑問が出てきました。
「ピアっていって、普段エイズに関心のないような人にアプローチしようとしているけど、活動がなければ、ぼくらは彼らと友達でもないじゃない。それでピアっていえるの?」と。
ピア・エデュケーションで啓発効果が高まるのは、メッセージの「送り手(僕ら)」が「受け手(彼ら)」のことを対等だと思うからではなく、「受け手(彼ら)が「送り手(僕ら)」を対等だと思い、自分と被らせるからだと思うのです。
これって最初の無関心層への認識と同じことなんじゃないかなって思う。
僕らは日本社会において「学生」や『若者」というグループ層をターゲットとしながらも、彼らについてあまりにも無関心じゃないだろうか。自分もそ のグループに入っているために知った気になり、「若者」や「学生」というぼんやりとして世代感覚の一致だけで「ピア」になったつもりでいるのではないだろ うか。
こういった活動に参加している人は、ほとんどが大学、しかも優秀と言われる学校に通っている人たちが多い。しかし対象としている人たちは必ずしも そうではなかったりする。彼らを「変えてあげる対象」として見ることに、無意識のうちに自分たちを上位においていないだろうか。僕らが対象としている若者 たちは、たとえ国際的な問題には興味がなくても、多感であり、そういった「上から目線」は強く感じるだろう。
本気で彼らに変わってもらいたいのであれば、彼らのことに関心を持つべき。彼らのことを知り、友となり、彼らが何に喜び、何に怒り、何に悲しむのかに耳と心を傾けるべきだと思う。
このことは二つのグループだけでなく、他のグループで話されていたことにも関係があるように思えた。
国際協力や環境活動をするようになった僕たちには、今までの人生のどこかで問題への気付きがあった。しかしそんな気付きがあった僕らが驕ってしまってはいけないし、共感は得られないと思う。
目的を同世代の関心のない人たちだとするのならば、自分で上った段の上から降りて、目線の高さを揃えることで、初めてスタートラインに立てるのじゃないかなと思った。
そんな気付きのあった2泊3日でした。
P.S.
一日目の夜に「持ち込み企画」という時間があり、「参加型ファシリテーション入門」という企画をしました。嬉しいことに参加者全体の3分の1以上 の20人が参加してくれて、予想以上のニーズの高さにびっくりしながら、人数の多いワークショップでどきどきしました。でも感触としてはみんな楽しんで学 びがあったようで良かったです。
こうやってどんどん理論の体系化と実践をしていきたいと思います。講座希望団体は随時募集してます~。
ではでは
YDPというのはYouth, Development, and Peace Japan Networkの略で、日本の50以上の学生団体・ユース団体のネットワークです。このイベントのセッションの一部でファシリテーターとかコーディネーターをしました。
今回はテーマを決めたセッションに参加してもらうのではなく、前半にオープン・スペース・テクノロジー(OST)を使って、参加者が話したいこと を自由に語り問い詰め、後半に自分たちで選んだテーマで追求してもらうという形をとり、このオープン・スペース・テクノロジーの経験者としてルールの説明 などをしました。
実際にセッションの中では参加者からさまざまな提案がでて、自発的に自由な議論が交わされました。「幸せって?」「偽善って?」「正義って?」と いうような哲学的なテーマから、「市民社会の変えるには?」「みんなのコミットメントを上げるには?」というようなテーマまで。そしてそれらのテーマのな かからみんなが語りたいテーマを選び抜き、最終日のプレゼンテーションまで参加者が寝る時間も惜しんで準備をしていました。
そんな中で、僕は特定のグループには参加せずにいろいろなグループに顔を出しているといろいろな気付きがあったのです。
夕食の時間に「芸能・芸術」というテーマのグループで話をしていた子と話をしていると、彼女は「無関心な人たちにイベントを通じて行動を起こしてもらえるようにしたいんです」と言っていた。
それに対し僕は前々から思っていた疑問がふと浮かんだのです。
「無関心層って言うけど、僕らが彼らに対して無関心なんじゃないかな?」と。
一方「エイズ」について話をしているグループでは「ピア・エデュケーション」について語っていた。ピア・エデュケーションとはピア(対等な人・友 人)による啓発活動で、同年代が語ることでもっとエイズという問題(他の問題でも使えるが)について身近に感じてもらうということです。
ここでも同じような疑問が出てきました。
「ピアっていって、普段エイズに関心のないような人にアプローチしようとしているけど、活動がなければ、ぼくらは彼らと友達でもないじゃない。それでピアっていえるの?」と。
ピア・エデュケーションで啓発効果が高まるのは、メッセージの「送り手(僕ら)」が「受け手(彼ら)」のことを対等だと思うからではなく、「受け手(彼ら)が「送り手(僕ら)」を対等だと思い、自分と被らせるからだと思うのです。
これって最初の無関心層への認識と同じことなんじゃないかなって思う。
僕らは日本社会において「学生」や『若者」というグループ層をターゲットとしながらも、彼らについてあまりにも無関心じゃないだろうか。自分もそ のグループに入っているために知った気になり、「若者」や「学生」というぼんやりとして世代感覚の一致だけで「ピア」になったつもりでいるのではないだろ うか。
こういった活動に参加している人は、ほとんどが大学、しかも優秀と言われる学校に通っている人たちが多い。しかし対象としている人たちは必ずしも そうではなかったりする。彼らを「変えてあげる対象」として見ることに、無意識のうちに自分たちを上位においていないだろうか。僕らが対象としている若者 たちは、たとえ国際的な問題には興味がなくても、多感であり、そういった「上から目線」は強く感じるだろう。
本気で彼らに変わってもらいたいのであれば、彼らのことに関心を持つべき。彼らのことを知り、友となり、彼らが何に喜び、何に怒り、何に悲しむのかに耳と心を傾けるべきだと思う。
このことは二つのグループだけでなく、他のグループで話されていたことにも関係があるように思えた。
国際協力や環境活動をするようになった僕たちには、今までの人生のどこかで問題への気付きがあった。しかしそんな気付きがあった僕らが驕ってしまってはいけないし、共感は得られないと思う。
目的を同世代の関心のない人たちだとするのならば、自分で上った段の上から降りて、目線の高さを揃えることで、初めてスタートラインに立てるのじゃないかなと思った。
そんな気付きのあった2泊3日でした。
P.S.
一日目の夜に「持ち込み企画」という時間があり、「参加型ファシリテーション入門」という企画をしました。嬉しいことに参加者全体の3分の1以上 の20人が参加してくれて、予想以上のニーズの高さにびっくりしながら、人数の多いワークショップでどきどきしました。でも感触としてはみんな楽しんで学 びがあったようで良かったです。
こうやってどんどん理論の体系化と実践をしていきたいと思います。講座希望団体は随時募集してます~。
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プロフィール
HN:
Junya Tanaka
性別:
男性
職業:
NGOスタッフ/参加型の場づくり研究・実践家
自己紹介:
青山学院大学の社会人大学院社会情報学研究科ヒューマンイノベーションコースで参加型の場づくり、ワークショップデザイン、ファシリテーションなどについて研究をしながら、震災関連の仕事をしています。
2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。
2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。
また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
◇参加型ファシリテーション入門編ワークショップ
◇傾聴力ワークショップ
◇アイスブレーキング体験学習ワークショップ
◇開発と気候変動を考える参加型ワークショップ
<現在企画中>
▽発問力ワークショップ
▽ワークショップデザインコース
2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。
2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。
また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
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