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コミュニケーション・ラボラトリーの公式ブログです。イベントの告知のほか、いままで書き溜め、Mixiなどで公開していた文章なども公開していきます。
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今日はバイトの休憩時間に本屋に行って二冊本を買ってきました。
今年は自分に投資をする一年にする!ということでビビッときた本はできるだけ買うようにしてます。
今回買ったのは「キラープレゼンテーション」と「目に見える議論~会議ファシリテーションの教科書~」という本です。

こうやって本を買い、自分の成長のために読みふけっている最近ですが、どんな本でも読むわけではないです。

特に最近自分で気付いたのは、「人からもらった本を読まない」ということ。自分の父親もかなりの読書家で、いろんな本を読んでいるのですが、時折 気に入った本を僕に渡してくれます。しかし、大体僕はそれを読まないのです。別に興味がないというわけでも、つまらなそうだという訳でもないのです。振り 返ってみるとなんとなく読んでいない、のです。
高校時代も、先輩からもらったTOEFL(英語試験)の教材はやらずに、自分で本屋で探して選んだ教材をやったりしていました。
そんな経験ないですか?
これは一体どういうことなのか、と考察してみました。

これは
「自分で選択していないために、その本に対するオナーシップ(ownership所有意識)が低いから」なのだと結論づけました。

選択(option)とオナーシップと言う言葉は先月職場で行ったFASIDでのBCC研修で出てきました。
研修では途上国の保健問題を例にあげて、「ヘルスセンターに行かせる」というためにどういうメッセージを現地の人の送ればいいのかという話をしていたのですが、
従来のプロジェクトでは、「ヘルスセンターへ行こう」というポジティブな単一のメッセージに対して、「農作業があるから、子ども面倒をみるから、 買い物に行くから、近所さんとおしゃべりするから、etc...」というさまざまな「ヘルスセンターに行かない理由」があることが問題であると指摘し、行 かない理由を転換させて「どうしてヘルスセンターへ行くのか」という理由を複数作るということをやりました。

たとえば「健康になれば農作業がはかどるから」「健康への知識が増えれば子育てに自信がつくから」「行けばたくさんご夫人たちがいるから」という理由でヘルスセンターへ行く理由を作り、メッセージとするのです。

こうすることにより、メッセージの受け手は単に、「ヘルスセンターへ行こう、ヘルスセンターへ行くといいよ!」というだけではなく、さまざまな理由の中から自分がヘルスセンターへ行く理由を「選択する」ことができるために、実際に行く可能性が高まるというのです。

このことを、その選択にオナーシップが高った、と言えます。

最初の本の例に戻すと、与えられた本には、読みたい本を選ぶ、という選択のプロセスを踏んでいないためにその本に対するオナーシップが低いため、 「読む」という行動に移ってないのです。逆に本屋さんで、たとえばファシリテーションというテーマで本を探しているとして、何冊もある中から、一番分かり やすいものや、面白そうなものを選んで買うために、その本に対するオナーシップが上がり、ちゃんと読むのです。

しかも本を買うという場合、実はもう一つの選択があります。それは「買う」か「買わないか」という選択です。
何冊もの候補のなかから、1冊を選んだ後、その値段を見て、「この本はこの値段に相応しいのだろうか」「この値段を払うだけの価値があるのだろうか」と考えます。実際は本を選ぶ段階で無意識でやっているかもしれません。
しかし結果として複数の本の中から自分で一冊選び、買うか買わないかという二択から、「買う」を選んだという二つの選択をしたということで、オナーシップは更にあがります。

本以外の例を出すならば、たとえばダイエットのための運動です。お金をかけず毎日運動しよう!と決意してもなかなかできなかったりしないでしょうか?
逆に、腹を決めて、フィットネスクラブの会員になると決意し、家から近いいくつかのクラブから内容やら値段やら距離やらを考えた末に、一つ選んで 会費を払うとします。その場合、あなたがそのクラブに行き、運動をするようになる可能性は、自分でお金をかけずに運動しようと決意したときよりも上がって いるはずです。

年初めに書き続けよう決めた日記も、ただでもらった日記帳よりも、本屋で自分で「あれがいい、これがいい」と悩んだ末に買ったもののほうが続くはずです。

本気で欲しい!本気でやりたい!と思っていることであるならば、そのためのコスト(費用・代金)が高いもののほうがオナーシップは高まります。
それは「買う」か「買わない」か(もしくは「やる」か「やらない」か)という選択の際に、より深く悩むためです。
最終的に「買う」「やる」を選ぶのであれば、そこにかけるコストが高いほうが、お金を払った後に、その行為が続く可能性は高まります。

もちろんどうでもいいものにそんなことをする必要はないです。本気な時だけに限りますが。

あなたがもし、本気でやりたい、続けたいと思っていることがあってそれができていないなら、選択肢から選ぶこととお金をかけることをしてみれば、いまよりはすこしでもできるようになるかもしれません。

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プロフィール
HN:
Junya Tanaka
性別:
男性
職業:
NGOスタッフ/参加型の場づくり研究・実践家
自己紹介:
青山学院大学の社会人大学院社会情報学研究科ヒューマンイノベーションコースで参加型の場づくり、ワークショップデザイン、ファシリテーションなどについて研究をしながら、震災関連の仕事をしています。

2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。

2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。

また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
◇参加型ファシリテーション入門編ワークショップ
◇傾聴力ワークショップ
◇アイスブレーキング体験学習ワークショップ
◇開発と気候変動を考える参加型ワークショップ
<現在企画中>
▽発問力ワークショップ
▽ワークショップデザインコース
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