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コミュニケーション・ラボラトリーの公式ブログです。イベントの告知のほか、いままで書き溜め、Mixiなどで公開していた文章なども公開していきます。
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ロンドンでOne Young Worldに参加して
帰ってきて風邪をひいて体調を崩して寝込んで、
いろいろしているうちに、思い悩んでしまって自分の根幹が揺らいでいて
何かを発信しようだなんて思えない状態が続いていました
ちょっと内面の問題が前進して、やっと言葉を発してみようとしたら
どばーっといろいろでてきました。
One Young Worldのことも少しずつまとめていきたいと思います。

*****************

Think globally, Act locally
地球規模で考えて、地域で行動しよう

僕が高校生くらいだったころから
もう何年も前から使われている標語
少し使い古された感があるのかもしれないけど
響きとしてはシンプルでわかりやすいし
この言葉を多くの人の口からも聞いてきた

でも僕は昔からちょっとこの言葉を聞いてきて
少し気になることがあるというか
なんとなく腑に落ちないところがあった

「Think globally」
「地球規模で考えて」
それって簡単にできることなのかなって

ずっと長いこと
どうすれば人は行動が起こすようになるのかとか
「啓発」とかいう言葉のもとに活動してきたりしていると
「Think globally」というのが
標語化されているほどに
シンプルで簡単なことのようには思えない

そもそも簡単にそんなことができるのなら
そんな標語が必要とされるような事態にはならない

「Think globally, Act locally」という言葉を聞くたびに
僕の頭によぎるのは
「Think locally, Act globally」も必要なんじゃないか
という思いだったりする

「Act globally」ってなんだよ それこそ簡単にできないよっていうのは置いておいて
「Think locally」って大事な気がするのです

僕が尊敬するアメリカの未来学者ヘイゼル・ヘンダーソン博士は
少し前まで、どこにでもいる主婦だった
そんな彼女が地域の大気汚染の問題に気が付き
「一人の母親」として子どもの健康に与える影響を憂慮して、
原因を究明し、地域の議会に訴え、周りのお母さんたちを触発していった

僕はその根底にあったのは「Think locally」な気がするのです
「Local」というのは、地域でというより「身近な」こと
自分の身の回り。それが住んでいる地域のことだったり、
もっと近く、自分自身の体や、家族の健康だったり。

そういった「身近」な問題を憂慮し、どうにかしたいと思った時、
原因は実は、もっと大きなところからきているものだったりする
自分の家族の問題というより、住んでいる地域全体の問題、国の政治の問題、
地球全体を巻き込む問題

「身近」に起こっている問題に気がついて、なんとかしたいと思ったとき
原因が、もっと大きな枠組みの中で起こっていることであるとき
解決しようとすると「身近」よりも大きなものを変化させていかないといけないと
気がつく時がある

そう気がついたとき人は「Act globally」するんだと思う
別に「地球規模で」なんてことはないけど
「globally」って
ちょっとでもいいから「身近よりも大きな」ことなんだと思う

去年コペンハーゲンで行われた気候変動条約会議(COP15)の様子を見ていて
印象に残ったのは、ツバルの人たちが世界のリーダーたちに訴えている様子でした
気候変動によって、海水面が上昇し、自分たちが住む国がなくなろうとしている
彼らを突き動かしていたのは、「Think globally」から来た思いでは決してない

自分の国、地域、家族、友達
どこまでも「local」な思いが強く突きつめられて
解決するために「globe」を突き動かしていく

今年名古屋で行われる生物多様性の問題にしても同じ気がする
今必要なのは「世界中で」とか「いま地球が」とかそんな大仰な言葉じゃない
だって問題意識は既に、ひとりひとりの中にあるのだから
「地球全体が」なんて言って、イメージできない世界を妄想させて
漠然とした行動を喚起するよりも
徹底して何とかしたいと思う「自分の身近」を考えていったらいいと思う
そうした時、解決したいと思う「身近」な問題があれば
その人は自然と、「身近よりも大きな」ところへ飛び込んでいくと思う
その手助けをしてあげればいいんだと思う

Think local
身近に何とかしたい問題があれば
Act global
大きな世界で変化を起こさなくてはならない だから
Think global
世界みんなで考えて
Act local
最終的に自分の身近なところから変化を起こしていく

決して二つは相対する言葉ではない
お互いがお互いを強めあっていく
色々なことを解決していくためには
どちらも必要なことだと思う
世の中にはいろいろな人がいるから
色々なものの見方があって
行動を起こそうとするきっかけもさまざまだから
いろんな喚起のしかたが必要な気がする
そんなことを思うから
僕はそっと言葉を添えたいと思う

もうちょっと自分の身近なことを考えてみようって
そしてそんな身近よりもちょっと大きな世界に
飛び込んでみようよって

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無題
Think locally, Act globallyが必要というのは正しいと思います。
自分は、Think Globallyを地球規模だけでなく、「あらゆる人たちを想う」と置き換えています。
世界中の国や人、もちろん身近な日本人も含めています。
Think Globally.Act Locallyを本当に理解している人はたぶん同じ結論に行きつくのではないかと思います。
そして田中さんと同じくThink Globallyの難しさをよく知っています。
日本人だからという理由で日本をひいきにしたら、即アウトです。
Think Globallyが本当にできていれば、Act Locallyは必要ないかもしれないと、たまに思います。自然に行動しますので。
higure 2011/07/22(Fri)23:40:50 編集
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プロフィール
HN:
Junya Tanaka
性別:
男性
職業:
NGOスタッフ/参加型の場づくり研究・実践家
自己紹介:
青山学院大学の社会人大学院社会情報学研究科ヒューマンイノベーションコースで参加型の場づくり、ワークショップデザイン、ファシリテーションなどについて研究をしながら、震災関連の仕事をしています。

2007年5月南カルフォルニア・オレンジ郡にある4年制教養大学を卒業しました。その後にすぐにイギリスの大学院に行くつもりが、もろもろの事情でいかないことにし、日本に帰国しました。なぜかいまだに日本にいます。人生思ったようにはならないです(笑)
後悔はしていませんが、試行錯誤です。

2011年5月にまたまた転職しました。震災関連の仕事をするためにアメリカ系のNGOで働き始めました。

また休日や平日の夜にはイベントや会議や参加型のプロセスのデザインやコーディネートをやったり、さまざまな研修や会議のお手伝いをしてます。ご関心があればお声掛けください。こういう研修ってふつう結構高いので、学生が参加できる金額でやれたらなと思っています(参加費応相談)
◇参加型ファシリテーション入門編ワークショップ
◇傾聴力ワークショップ
◇アイスブレーキング体験学習ワークショップ
◇開発と気候変動を考える参加型ワークショップ
<現在企画中>
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▽ワークショップデザインコース
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